季刊誌『光明』

平成29年-春-第203号



高橋英樹の生きる原点



厳しい親でごめんね!



  趣味は家族です。私の元気の源は、なんといっても家族の笑顔。妻が笑えば、子どもも笑い、私も楽しい気分になります。
  自分の子育てを振り返ってみると、子どもとよく話し、いっぱいかわいがり、一緒の時間を過ごすことを大事にしてきました。それが私の子育て論といえます。
  それと、一生懸命働いて、父親が頑張っていることを子どもにわかってもらうよう心がけました。ただ、家をあけて働くほど、家庭では妻の負担が大きくなります。そこで、「ママ」に休んでもらうため、月に一度は「パパと娘の日」を作りました。私が娘と一緒に出かけることで、妻は自由になります。私にとっても、娘と過ごす一日は嬉しいものです。
  家の中では隠しごとをせず、すべてを報告し合っています。「お茶を飲むね」や「お風呂に入ってくる」などが、わが家の風景です。娘が思春期のときも、それは変えませんでした。怒鳴どなりあいの親子喧嘩もしましたが、その日の夜には、もう何もなかったように話をします。すぐ仲直りができるのは、常日頃から会話を大切にしているおかげです。
  最近は娘も忙しいようで、一緒にいる時間がめっきり少なくなりましたね。まあ、ここまで成長すれば、それでいいなと思っています。
  娘は私のことを、厳しい父親だと感じているはずです。役者の娘だと、どうしてもまわりから甘やかされてしまうので、家庭では厳しく教育しましたからね。
  教師だった私の父はとても厳格な人で、思い返すと叱られたつらい思い出ばかりがよみがえります。父のような子育てをするつもりはありませんが、厳しさは必要だと思います。子どもを育ててみて、父親の気持ちが分かった気がします。
  一人前の大人になって社会で活躍できるよう、わが子を育てるのが親のつとめです。甘やかすことは簡単ですが、それだけではいい子育てになりません。教育の原点は家庭。叱ることを学校に任せないで、親がしっかり責任を持たなくてはなりません。
  もっと娘をめてあげればよかった、と反省もしています。テストで97点を取ったとき、「100点まであと3点だね」とは言わず、「ほぼ満点だよ」と褒めてあげればよかったなと……。
  そうそう、私が絵を描くようになったのは、片岡鶴太郎さんとの出会いがきっかけです。あの方はとても褒め上手です。ある時、うっかり紙の上に墨を落としたら、鶴太郎さんが「すごいね、高橋さん。そのポタポタ!」とのぞきこむのです。「これは高橋さんにしかできないポタポタだよ」とまで言われ、年甲斐としがいもなく喜んだことをおぼえています。褒めることは、叱ること以上に大切ですね。
  厳しくてもいいから、積極的に子どもを褒める。それが、わが子の可能性をどんどん広げる秘訣ひけつではないでしょうか。




高橋 英樹
高校在学中の昭和36年5月、日活ニューフェース5期生として日活入社、『高原児』でデビュー。以後『激流に生きる男』『男の紋章』シリーズ、『けんかえれじい』『戦争と人間』『伊豆の踊り子』等、映画黄金時代に多数出演、活躍する。


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