季刊誌『光明』

平成29年-夏-第204号



ワカゾウの日々是精進



「もういくつ寝ると・・・」



  せっかちなので、夏の盛りにもう「お正月」の話題です。
  幼いころからの夢、それは除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べ、年が明けたら神社にはつもうでに行き、おせちをつまんでのんびり過ごすことでした。
  ありふれた光景ですが、かれこれ三十年、その夢は実現していません。なぜなら、私はお寺に生まれたからです。
  お寺の年末年始は大忙しで、たとえば私の所では、おおみそに除夜の鐘を撞き、正月にはの法要が続きます。ですから、準備と片づけを含めると二週間は働きづめになってしまいます。
  子どものときは放ったらかし、十代になると手伝いに駆りだされました。お坊さんになってからは、ひたすらけいだいを掃除し、何度も護摩を焚き、参拝者の応対に追われて、冬なのに汗だくです。
  振り返れば、家族との穏やかな正月にあこがれていたころは、自分のきょうぐうをなげくばかりで、まわりが見えていませんでした。そんな私を変 えてくれたのは、行事を支える人たちのひたむきな姿です。
  裏方に徹する人がいなければ、お寺の行事は成り立ちません。お手伝いのみなさんは「お寺に来た人に満足してもらいたい」という心意気を持って働いていました。
  その思いに触れる中でいつしか、ほかの誰でもない、お寺に生まれた自分が、行事を盛り上げる中心にいることに気づいたのです。それからは、心を込めた「おもてなし」を、 何よりも大切に考えるようになりました。
  いまの私の夢、それは年末年始の行事を、誰もがまた来たいと思うものにすることです。簡単ではありませんが、まごころを持ちつづければ、かならずかなうと信じています。
  境内に響くセミの声を聞きながら、思いを巡らすのは、冬の「おもてなし」。除夜の鐘が、待ちきれません。





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